使い込むほど趣深く。村上木彫堆朱の出前授業
- no-tsurumaki
- 7月10日
- 読了時間: 2分
「触ってみるとよく分かる」村上小で職人の出前授業
「こっちの方がつやつやして光っているみたい」「こっちはそっちより、触った感じがすべすべしているね」。鮭の絵柄が彫られた2種類の「ぐい呑み」を興味深そうに触っていたのは、村上小学校の4年生。国の伝統的工芸品に指定されている「村上木彫堆朱」を学ぶ特別授業が7月初めに開かれました。職人でもある村上堆朱事業協同組合の代表理事・小杉和也さんが村上小学校を訪れ、本物の漆器を見せながら生徒に村上木彫堆朱の特徴と課題を伝えました。

村上木彫堆朱は、専用の彫刻刀で木材に細かい模様を彫り、天然の漆だけを何度も塗り重ねて仕上げる独特の技法が特徴です。最後に「つや消し」で仕上げた朱色は、使い込むほどにつやが出て、風合いが増していきます。
出前授業では、小杉さんが用意した「新品のぐい呑み」と「数年使ったぐい呑み」を生徒たちが手に取り、質感の違いを比べました。小杉さんは「大切にしまっておくだけでは、いつまでもつやが消えた状態のまま。生徒のみなさんには、家にある村上堆朱をたくさん使ってほしいです」と呼び掛けました。

伝統の技を100年後に繋いでいくには、どうしたらいい?
出前授業では、伝統技術の担い手となる職人や原材料である木地、漆の不足、若い世代へのPRといった課題があることも学びました。授業の後半では、解決策を子どもたちが考えることに。
「村上堆朱でおもちゃを作って子どもたちに使ってもらう」「堆朱ソングを作って流してみたら?」「総理大臣にPRしてもらおう」「堆朱新聞を作って伝えるのはどう?」ー。ユニークなアイデアがぽんぽん飛び出して、教室は大盛り上がりでした。




授業終了後、校長室で休憩していた小杉さんを、数人の生徒が訪ねてきました。授業で出たアイデアをもとに、実際に「堆朱新聞」を作ってみたいとのこと。生徒たちの熱意に応えたいと、小杉さんは丁寧にアドバイスをしていました。

子どもたちの「オリジナル堆朱新聞」、完成が楽しみです!